◎冷え症とホルモンバランスの関係
暖かい部屋に入っても、なかなか体が温まらない状態や手足が冷たく感じてしまうなどの症状が冷えの始まりです。女性には、常に手足が冷え、特に生理前は全身の冷えを感じやすくなる方、更年期に多い末端は冷えを感じるのに他の部分は熱く感じる冷えのぼせのように熱の巡りが悪くなる方がいらっしゃいます。大きな理由として女性ホルモンの影響があげられます。

よく女性は男性よりもホルモンのバランスが崩れやすく、冷えを感じる人が多いという事を聞いたことがあると思います。女性は一生を通じてホルモンが変化するいくつかのタイミング(初潮、月経、妊娠、出産、更年期、閉経)があり男性よりもホルモンのバランスが崩れやすいという体のしくみをもっているからです。女性ホルモンはいろいろな働きがあるのですが、中でも生理サイクルをコントロールする役割があります。その女性ホルモンのひとつに黄体ホルモン(プロゲステロン)があり、この黄体ホルモンは卵巣から排卵後(生理の1~2週間前くらい)に分泌され、体温を上昇させる働き、血管を拡張する働きがあり、基礎体温を0.5~0.8度も上昇させます。

逆に生理に向かい、この黄体ホルモンの分泌が減っていくので、基礎体温が下がる事になります。このことからも生理前は冷えを感じやすくなる事が分かります。女性ホルモンのバランスは体温調節にとても重要で、崩れると体温の保持がうまく行かず、冷えを感じやすくなるのです。もう1つ、人間には体温調節にはとっても大切な神経があります。これが自律神経(交感神経と副交感神経)で、常に体の体温を調節しています。そして、自律神経とホルモンの両方をコントロールしている所が、大脳の視床下部というところで自律神経、ホルモン、視床下部お互いに関連し合っているためホルモンが崩れると自律神経のコントロールもできなくなり、ますます冷えが深刻になってきます。


◎自律神経と女性ホルモンが崩れる原因
ストレスや生活習慣が大きく関わっています。
・ストレス
ストレスを感じると脳が興奮状態になり興奮する神経(交感神経)が働きます。それを抑えるために体の中では多くのホルモンが分泌されます。そのホルモンが、末端の血管を収縮し、血圧を上昇させます。心臓や肺などに多く血液を送ろうとし、体がストレスに対抗できるようになります。ストレスに対してはとても良い事なのですが、ストレスが続くと休むはずの神経(副交感神経)が活動できなくなり自律神経のバランスを崩しやすくなります。又、交感神経は血管を収縮させるので、手足の末端に血液が流れにくくなくなり冷えへと繋ります。

・更年期
更年期に入ると卵巣の機能が低下し脳が指令を出してもホルモンの分泌が困難な状態になります。すると脳が混乱し自律神経も崩れるので、この時期に冷えを感じやすくなる方も多いようです。女性の体は月経を挟んで黄体ホルモンの減少、自律神経の乱れ、ストレスなどで血行が悪くなっているという事です。


アロマトリートメントでストレスを改善する事が、冷え対策の第一歩です。リラックスする時間を増やしましょう。ストレス社会とも言われている現代ですので、ストレスを抱えないというのも難しいと思います。まず、リラックスできる時間を増やしましょう。体に良い影響を与えると女性ホルモンの分泌と自律神経が整ってくるので冷えも和らいでくるでしょう。なるべく心穏やかにし、くつろげる時間をつくってみて下さい。大切なのは何よりもリラックスすることです。

アロマトリートメントは自律神経の乱れと女性ホルモンの低下している女性にはかなり有効です。好きな香りを嗅いでリラックスし、ツボや筋肉をほぐし体の緊張を軽減し、血流も良くしてくれますので冷えの改善にはとても良いです。ご利用されるお客様で、ホルモンのバランスを崩されている方には体が温まるジンジャーの精油やホルモンを整えてくれるゼラニウムの精油をおすすめします。ホルモンをアップさせてくれる精油と体を温めてくれる精油をブレンドしてお使いいただくと良いですね。ご自身でトリートメントするのも良いですが、体の力を抜いてリラックスすることが大切なので、時にはセラピストに体を預けてみるのも良いでしょう。精油を嗅いで良い香りと思うものがリラックスでき、今、必要な香りなので、セラピストと一緒に選んで楽しい時間を過ごしましょう。

◎冷えにおすすめの精油
・加温効果・・・ジンジャー、ラベンダー
・熱を保持してくれる・・・スイートマジョラム、クラリセージ
・血行促進・・・ローズマリー
・リラックス効果・・・ラベンダー、オレンジ、ベルガモット
・ホルモンの調整・・・ゼラニウム

これらを嗅いで良い香りと思うものがリラックスでき、今必要な香りなので、セラピストと一緒に選んで楽しい時間を過ごしましょう。