アロマテラピーでストレス対策を
鍼灸、指圧、按摩、西洋式マッサージ、柔道整復は全て被施術者の体に触れるか道具を用いて筋肉やツボを刺激する方法で肉体的なストレスを和らげるための手技となります。しかし、自由な発想で施術法を組み合わせる事が出来る整体の世界では気功法やアロマテラピーなど直接体に触れる事無く精神的なストレスの緩和を促す方法も存在しています。

中にはその効果の程を疑う人も居るかもしれませんが、五感は脳に直接刺激を送るものですので、アロマテラピーの様に香り(嗅覚)を利用して脳が感じているストレスを緩和させる方法というのは理にかなっていると言えます。

香りのもたらす作用=記憶を引き出す
人には五感(触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚)があります。アロマテラピーはエッセンシャルオイルなど香りの強い精油を用いて、脳に刺激を加える方法になります。一見すると眉唾と思われがちですが、香りにはいろいろな作用があり、その効果は思いのほか大きいものなのです。そんな香りがもたらす作用の一つが「記憶」にまつわる効果です。人の脳は巨大なデータバンクと言われていま

一度見聞きしたり、体験した物は脳の中で優先順位が付けられ記憶の保管庫にしまい込まれます。この時一度しまわれた記憶を引き出す鍵となるのが香りなのです。移り変わりの激しい世の中で記憶を追体験するというのは中々難しいものですが、キンモクセイの香りを嗅ぐと幼い時の記憶が蘇ったという経験をした人も多いと思います今でこそ観賞用として栽培されているキンモクセイですが、昔のように下水道が発達していなかった昭和40年代ころまではトイレの側に必ずと言ってよい程植えられていて至る所で目にする植物でした。この頃に幼少期を過ごした40代後半の人より年配になるとキンモクセイの香りを嗅ぐと小さい頃の記憶が芋づる式に蘇るという人も少なくありません。同様に脳は記憶を引き出す鍵として香りを利用する事が非常に多いのです。

香りのもたらす作用=精神状態を左右する
お線香に良く用いられている白檀の香りには鎮静作用があると言われています。お線香は煙による魔除けの意味があるのですが、そこに白檀が練り込まれているのは参拝者の精神を落ち着かせるためだと言われています。また、ミントやレモンのさわやかな香りには気分をリフレッシュさせる作用があり、バニラやチョコレートの甘い香りは気分を高揚させると言われています。また生ゴミの臭いや腐乱臭はみんなが不快な気分になりますよね。このように香りには人の精神状態を左右させる強い作用があるのです。

アロマテラピーは香りの持つ精神作用と記憶を制御する作用を応用した療法になります。香りの好みは人それぞれですが、良い香りは気分を良くし(興奮若しくは鎮静作用)、嫌な臭いには気分を悪くさせる作用があるのは誰にも共通する傾向なので、香りを分類してその人の精神状態と記憶にダイレクトにアプローチする方法が行なわれます。ミント系の香りは気分を爽快にしてくれるだけでなく、強い殺菌作用があるという事を知識として知っていればミントの香りを嗅いだだけで抵抗力が向上するというデータがあるのです。これを利用してミントは殺菌作用があるという事を刷り込ませるためにアロマオイルの説明を施術毎に行なう事で、実感の度合いが高まってくるというわけです。

柑橘系の香りは唾液腺を刺激する作用があるため、ドライマウスで歯周病や虫歯になりやすく口臭も強い人にはミント系の香りと柑橘系の香りをブレンドした精油を用いるなどの方法がとられます。

ウッド系の香りには気分を落ち着かせる作用があるのと、スパイスの香りには血流量を増加させるという作用があるため、肩こりや腰痛など慢性的な筋肉疲労症状にはこれらをブレンドした香りを使い、リラックスした状態でマッサージを受けると整体の効果が相乗的に向上することも知られています。